14.8 × 10.5 cm / 1000 page
1948年創刊された広告代理店・博報堂が発行する雑誌『広告』。2019年に博報堂のクリエイティブディレクター/プロダクトデザイナーの小野直紀が編集長に就任し「いいものをつくる、とは何か?」を全体テーマに据え、この問いを思索する “視点のカタログ” としてリニューアルしました。
小野直紀編集長による最終号の特集は「文化」。
その概念の曖昧さと複雑さを受けとめたうえで、風土や言語、宗教や芸術、伝統や権威、経済や政治など「文化」をとりまく観念や事象をとおして様々な視点が収録されています。
[記事]
・文化とculture
社会学者 吉見俊哉 × 『広告』編集長 小野直紀
文:山本 ぽてと
・ドイツにおける「文化(Kultur)」概念の成立とその変質
文:小野 清美
・文化と文明のあいだ
文:緒方 壽人
・まじめな遊び、ふざけた遊び
文:松永 伸司
・建築畑を耕す
文:大野 友資
・断片化の時代の文学
構成・文:勝田 悠紀
・現代における「教養」の危機と行方
哲学者 千葉雅也 × 『ファスト教養』著者 レジー
文:レジー
・ポップミュージックにおける「交配と捕食のサイクル」
文:照沼 健太
・カルチャー誌の過去と現在
文:ばるぼら
・「文化のインフラ」としてのミニシアターが向かう先
構成・文:黒柳 勝喜
・激動する社会とマンガ表現
文:嘉島 唯/編集協力:村山 佳奈女
・中国コンテンツをとりまく規制と創造の現場
文:峰岸 宏行
・SNS以降のサブカルチャーと政治
文:TVOD
・開かれた時代の「閉じた文化の意義」
哲学者 東浩紀 インタビュー
聞き手・文:須賀原 みち
・文化を育む「よい観客」とは
文:猪谷 誠一
・同人女の生態と特質
漫画家 真田つづる インタビュー
聞き手・文:山本 友理
・ジャニーズは、いかに大衆文化たりうるのか
社会学者 田島悠来 × 批評家 矢野利裕
構成・文:鈴木 絵美里
・ディズニーの歴史から考える「ビジネス」と「クリエイティビティ」
文:西田 宗千佳
・ラグジュアリーブランドの「文化戦略」のいま
文:中野 香織
・成金と文化支援
日本文化を支えてきた「清貧の思想」
文:山内 宏泰
・経済立国シンガポールの文化事情
文:うにうに
・流行の歴史とその功罪
文:高島 知子
・広告業界はなぜカタカナが好きなのか
「いいもの」は未知との遭遇から生まれる
文:河尻 亨一
・クリエイティブマインドを惹きつけるアップル文化の核心
文:林 信行
・未知なる知を生み出す「反集中」
文:西村 勇哉
・「ことば」が「文化」になるとき
言語学者 金田一秀穂 × 『広辞苑』編集者 平木靖成
聞き手・文:小笠原 健
・風景から感じる色と文化
文:三木 学
・「共時間(コンテンポラリー)」とコモンズ
ミュージアムの脱植民地化運動とユニバーサリズムの暴力
文:小森 真樹
・京都の文化的権威は、いかに創られたか
構成・文:杉本 恭子
・生きた地域文化の継承とは
3つの現場から見えたもの
構成・文:甲斐 かおり
・ふつうの暮らしと、確かにそこにある私の違和感
文:塩谷 舞
・過渡期にあるプラスチックと生活
なぜ、紙ストローは嫌われるのか?
構成・文:神吉 弘邦
・文化的な道具としての法の可能性
文:水野 祐
・「日本の文化度は低いのか?」に答えるために
構成・文:清水 康介
・イメージは考える
文化の自己目的性について
文:中島 智